カミサマはそういない (集英社文庫) | 深緑 野分
ミステリ、ホラー、SF……さまざまな終末的世界の絶望と、微かな光を描く異色の短編集。この物語に、救いの「カミサマ」はいるのか...
~ もくじ ~
伊藤が消えた
潮風吹いて、ゴンドラ揺れる
朔日晦日
見張り塔
ストーカー vs 盗撮魔
饑奇譚
新しい音楽、海賊ラジオ
解説 石井千湖
~ なるほどな一文 ~
「あの・・・・・詩って、どうやって書くんですか。どんな気持ちになれば書けるんですか?」
訊ねてみると、クヤクヤさんは少し困ったように首を傾げた。
「どうって・・・・・ただ書くんです。何ていうかな、考えていることや湧き上がってくる感情に名前をつける、みたいなものかな。もやもやしてよく見えない存在に向って、精いっぱい目を凝らす。そして形を抽出して言葉にする。まあ、読んでくれる人はいないけど、そういう問題じゃないんだ。言葉は誰も聞いてなくても出てきちゃうものだから」(P245)
これで、、、2007年07月13日以降(6243日)、、、
読んだ本 1335冊 (1日平均0.21冊)
読んだページ 341531ページ(1日平均54ページ)
atasinti - 読書メーター
シュールな話ばかりの短編集。
この手のシュールな話にはたいていユーモアやブラックユーモアが含まれていて、クスっとしちゃう場面があるものですが、これらの話にはそれはなく、ただただシュールなだけ。
これらの話を通して作者は何を言いたかったのかわからない、いや、この作者は読者にそんなことを求めていないのかもしれない。
個人的には、陸地があらかた水没してしまった50年後の世界を描いた「新しい音楽、海賊ラジオ」の世界観がいちばん好きかも。
しーゆー。
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